自分で決める本物のスマートウォッチの選び方

安さに特化した中華ウォッチ、およびフィットネスやアウトドアに特化したトラッカーなどではなく、幅広い用途にそつなく使えてアップデートやダウンロードで魅力が拡張されていく本当の意味でのスマートウォッチというものが存在します。

前回作成したページ「スマートウォッチのおすすめは単純じゃない! 本物の見分け方」では、腕時計に画面がついていればどれもスマートウォッチだというわけではないことを説明しました。
そのときの結論では多用途と自由度の高さを有したウォッチが本物のスマートウォッチであると決めつけています。
決めつけてしまったことには訳がありまして、やはりスマートウォッチというものに興味を持っていただけたのなら、一度だけでも正しい意味でのスマートウォッチに触れてもらいたかったからということがあります。
例えば、通話が出来るMP3プレイヤーが存在していたとして、それをスマートフォンに初めて興味を持った人が手にしてしまったら、その人は「スマホって大して便利じゃない」と勘違いしてしまうでしょう。
初めてスマートウォッチに興味を持った人に同じような経験をしてほしくないがために作成したのが前回のページというわけです。

最近はフィットネストラッカーに主眼を置いたウォッチにおいても大画面化が進み、個人的に思う本物のスマートウォッチとの差は一見狭まってきました。
そんな状況でもあえて「これぞスマートウォッチ」と言えるものをお薦めするのは、ズバリ、結局のところ欲しくなるからです。
「スマホにしてだいぶ経つけど通話とメールくらいしか使わない」という人でもフィーチャーフォン(ガラケー)にはまず戻らないと思います。フィーチャーフォンの見た目がスマホに似てきたとしても決してスマホの代わりにはなりえないということです。

もちろん、予算の都合もあるでしょうから、そのあたりや人気度も考慮して記事にしました。
ありがちな「○○年 オススメ スマートウォッチ ○選」のようなページにならないように気をつけています。
※アップルウォッチとハイブリッドウォッチ(ディスプレイがほとんどないタイプ)はこの記事では取り上げていません。
※一部の画像にAmazonへのリンクが設置してあります。価格と在庫は変動します。

調査

Wear OS by Googleウォッチ

まず一つ目はWear OS by Googleを搭載した製品です。以前はAndroid Wearと呼ばれていて、いくつかのスマートフォンメーカーが製品を出していました。
しかし、腕時計ゆえの大きさ制約や進歩しないSoC(CPUを含めたチップ群)のためか高性能化も低価格化も難しく、今ではある程度の価格を維持できるブランド時計の製品が主流となってしまいました。

そんな状況の中で気になることがあるのですが、最近のファッションブランドの製品よりも以前のスマートフォンメーカーの製品の方が腕時計としての見栄えが良いような気がするのです。

上がスマートフォンメーカーの過去の製品で、下の2つが時計メーカーの最新の製品です。

参考とさせていただいた画像だけでなく、最近のスマートウォッチのイメージ画像はたいてい黒地のウォッチフェイスを採用しています。上のFOSSILとSKAGENは同じメーカーなので仕方ないかもしれませんが、公式サイトを見るとどちらも黒地のデジタル表示をイメージ画像に使っています。
これは黒い部分が多いと消費電力が少ないという有機ELの性質のためとも考えられますが、一番は画面表示部周辺の黒い余白を目立たないようにしているのではないかと邪推してしまったりもします。
この余白がある状態で明るい盤面を表示すると「この時計、なんで文字盤をキュッと縮小表示してるの?」といった感じになってしまうからです。

上の画像のような感じで、どことなく違和感を感じます。
これが中華メーカーでしたらレンダリング時に黒余白をなかったことにしてしまいがちですが、FOSSILはちゃんとした会社なのでそんなことはしません。第1世代の液晶ディスプレイ製品から黒地を貫いています。
しかしながら、 このことがあるためにフェイスの選択肢と腕時計らしさが減っているのは事実で、Wear OS機は生産しているメーカーが集約されていることもあって特にそういった製品が目につきます。

価格は以前から3~5万円が中心となっていて今でも変わっていませんが、だからといって以前のメーカーのものを選ぼうにもプレミアがついていたりしています。
また、生産が終了しているとバッテリーの交換や修理が困難だったりするので、今現在も生産しているメーカーから選ぶしかないのが現状です。

ソウイチロウ
ソウイチロウ

これからは腕時計らしいデザインよりスマートウォッチらしいデザインが定着するのかも

拡張性が高いWear OS

前置きが長くなりましたが、Wear OS製品の最大の特長はアプリやウォッチフェイスを自分で追加できることです。
フェイスは無料でも格好良いものが多くあります。ただ、せっかく格好良いフェイスを選んでも、曜日と日付の一部が強制的に日本語表示されてしまうものもあって、洗練されたデザインの中に「8月13,金曜日」と大きめに表示されたりします。
また、ストアにあるフェイスにはバッテリーを多く消費したり動きを鈍くさせるものがあるので、調子が悪いと感じたらプリインストールされているフェイスに戻して検証しなくてはならないという手間がかかります。

時計らしい機能以外にも元からメディアプレイヤーや翻訳アプリ、フィットネスアプリなどが入っていて、必要に応じてマップやSPOTIFYなどを追加できます。
また、スマートフォン側にアプリをインストールすることにより、アプリごとの通知バイブレーターの長さやパターンを変えたりも出来ます(「Feel The Wear」や「Wearカスタムバイブ」等)。

ウォッチフェイスは無料を含めて数多くあり、フェイスによってはアンビエントモード(画面を見ていないときに表示内容や動き、光量を最小限にして消費電力を減らしている状態)が通常モードと同じデザインに出来て、物理的な盤面のような気分を味わえるものもあります。

Wear OS by Googleのウォッチフェイス(通常時)
Wear OS by Googleのアンビエントモード時

上の写真は通常の状態と数秒放置して省電力状態(スクリーンショット)になった状態です。アンビエントモードはかなり暗くなるので写真では伝わりにくいためにスクリーンショットを用いました。
このフェイスはモノクロ液晶を疑似的に再現したもので、スタンバイ中は暗いグレーですが、腕を上げるジェスチャーをすると「青いバックライトが点灯して明るくなった様子」を再現します。(色は変更可能)
このようにウォッチフェイスにこだわることが出来るのは本当の意味でのスマートウォッチならではと言えます。

さりげなく返信

それ以外の特長としてはLINEの通知が来たときに全文が読めたり、簡単な返信が出来ることです(スタンプは表示も入力も不可)。
返信は音声入力、手書きによる絵文字、手書きによる日本語、キー入力によるアルファベットが使えます。
ただ、いかんせん画面が小さいので、手書きでOKと書くことによる[OK]の絵文字くらいが実用的な使い方となりそうです。
一言であれば音声入力でも十分ですが、やはりある程度の文を入力するのであればスマートフォンを取り出した方が手っ取り早いです。

LINEの無料通話による音声着信については呼び出し中には反応せず、相手が切った直後に「着信あり」の通知が来ます。これは多くのスマートウォッチが同じだと思います。ちなみにWhatsAppの通話は呼び出します。

ソウイチロウ
ソウイチロウ

通知を見ただけだと既読にならないので注意

ユーザーやメーカーの希望に添えない現実

この代表的なスマートウォッチにも、もちろん難点があります。

まず、価格が高めであるということ。
スマートフォンで例えますが、乱暴な例え方をすると、安価なスマートフォンは「冷凍食品の惣菜(部品)と炊いたご飯(カスタムUI)をオリジナルの弁当箱(外装)に入れ、指定された紙(ロゴ)でくるむ」という工程を工場に依頼して発売するようなもので、ありものを使うために比較的少数の注文でも柔軟な対応で生産できます。
しかし、スマートウォッチの場合は需要がまだまだ少なく、部品の生産コストが高いうえに小さなケースの中に望まれる性能とそれを持続させるバッテリーを詰め込まなくてはなりません。その技術と更にアクセサリーのような高いデザイン性まで要求されます。
それほどのものをある程度まとまった数を売らなければならないので、Wear OSとしてスマートウォッチを出し続けるにはブランド品としての付加価値が必要なのだと思います。
また、バッテリーは必ず劣化しますのでそのうちに実用的ではなくなるでしょう。実用年数を考慮すると、どうしても「価格が高め」という難点が大きくのしかかってきてしまいます。

次にあげられる難点はバッテリーがそもそももたないことです。
このOSは根本的に消費電力が大きいようで、度重なるアップデートや黒色の多用などで対策はしていますがすでに限界に達してしまっている状態です。
必要な持続時間は使う人によって違うわけですが、少しでも長く使いたい人は画面の常時表示をオフにしたり、画面を常に暗くして使っているという話を見かけます。そこまで気を使わなければならない時点で実用アイテムとしてはいかがなものかと思ってしまいます。
OS以外にも中心的な部品であるSoCが時代遅れなことにも原因があるようです。これは新製品を買えばよいということではなく、現時点で使われているSoCすべての製造プロセスがSnapdragon 400から変わらない28nmなのです。
そんな28nmのSnapdragon Wear 3100ですら各製造メーカーに行きわたっていないのが現状だったりします。

他に、機種によってはNFC機能を搭載しているので本来であればGoogle Pay(決済)が使えるのですが、現時点では日本でのGoogle PayはNFC Type F(FeliCa)に対応している必要があるので使えません。

ローソンやマクドナルドなどに続き、セブンイレブンでもNFCによる支払いが2020年6月より開始されます。このことにより、日本でもApple Watchのような支払い方が出来るようになるかもしれません。

各社に広がらない最新スペック

それでもWear OS機には「これぞスマートウォッチ」という魅力があります。
スマートフォンが出始めのころも電話機としての使い勝手の悪さがありながらも、機能を拡張できるという大きな魅力がその後の普及につながりました。

上のTwitter画像にあったFOSSILの第5世代は快適性に重要なRAMを1GBに増量してありますし、SoCも力ずくで省電力化したSnapdragon Wear 3100を使用しています。
ただ、価格が高めなのは否めません(およそ45,000円)。

ちなみに同社にはMISFIT VAPOR Xという比較的低価格な製品があり、米国で179.99ドル(約2万円)で販売されています。

しかし、2019年8月の発表から半年が過ぎた執筆時でも日本では発売していません。仮に発売したとしても、過去にFOSSILはSPORTという255ドルのモデルを38,880円で発売しましたので低価格は期待は出来ないでしょう。
しかも、SDW3100搭載機は初期の販売経路を直営店に限定している様子がうかがえます(供給数の問題?)。

低価格への挑戦

「とにかく低価格でWear OSを体験したい」というのであれば、アマゾンでも販売しているTicWatchというものがあります。

Googleも出資しているMobvoiというスタートアップ企業が発売していて、元々は独自OSから始まりました。

PRO
24,900円
[18,205円]

C2
24,999円
[17,149円 充電ケーブル]

S2
22,605円
[15,535円 充電器]

E2
19,349円
[13,299円]

※価格は20/02/23時点の参考価格です。変動する場合があります。
※[]内の価格は2019年12月8日からのサイバーマンデー価格とオマケ品です。

PRO

TicWatchで唯一、アンビエントライト(環境光)センサーがついていて、スマホのように周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動調整できます。
この機能がないと、暗いところで眩しい思いをするか、明るいところでよく見えなくなるか、またはどっちつかずの状態になります。
個人的には必須の機能ですが、「Display Brightness for Wear」というアプリを使うことによって疑似的に自動調整することも出来ます。これもWear OSの良いところでしょう。

また、珍しい機能として有機ELディスプレイの上にモノクロ液晶ディスプレイを重ねていて、アンビエントモードのときに時間などの基本的な情報を低消費電力で表示し続けることが出来ます。

例えば、自転車のハンドルをつかんでいるときに腕をほとんど動かさずとも視線を向けるだけで時間を確認することが出来ます。
ただし、一切光っていないので暗い場面では見えにくいでしょう。

ケースやバンドの質感は安っぽくありませんが、フラッグシップなのでコストパフォーマンスはあまり求めていないと思います。

難点は省電力を意識しているのか何かのアプリのせいなのかわかりませんが動作がもっさりしているという感想を目にします。
RAMがFOSSIL第5世代の半分しか搭載されていないことも快適さを損なっている原因かもしれません。

2020年2月、英国にてTicWatch PRO 2020が発売されました。変更点はRAMが512MBから1024MBになっただけです。この期に及んで小変更モデルを出すということは、唯一セカンドモデルが出ていないPROの新型はまだ先のようです(開発費の問題?)。

C2

女性の利用を意識したためか、小柄で丸みを帯びたデザインになっています。

ディスプレイは1.3インチと決して小さすぎはしませんが、画面の周囲に黒枠があるのでCGではなくレビュー等の現物の写真を確認してください。
製品画像があてにならないのは中華企業なので仕方のないところですが、他のモデルには現物にも黒枠がないので何とか頑張ってほしいところでした。

質感は高いと思いますが、PROとさほど値段が変わらないにもかかわらずアンビエントライトセンサーはついていません。
総合的に何とも惜しい製品です。

S2&E2

今のところ日本では一番新しいモデルで、前モデルではOLEDだったディスプレイをAMOLEDに格上げしました。

あえてスピーカーを捨て、それにより水泳に対応できる防水性能を手に入れています。
スピーカーに関しては前記事のBluetoothウォッチのところで書いたとおり、いらない人には無い方がよい部分ではあります。

ケースは樹脂製ですので、レンダリングの商品画像ではなく、各種レビューの画像や動画で質感を確認してください。

S2は米国の軍用規格810G認証です。

タイムセールの常連

TicWatchはアマゾンの普段のタイムセールに登場することがありますが、このときは通常時に現れるクーポン値引きとあまり変わりません。
ただし、タイムセール祭りの最中に始まる特選タイムセールでは普段のタイムセールより大幅値引きをする可能性があります。

再接続不可になる不具合

これはWear OSウォッチの機種とスマートフォンの機種の組み合わせにもよるかもしれませんが、スマートフォン側のWear OSアプリでスマートウォッチとのペアリングをした場合、このアプリをタスクキルしてしまうとBluetooth接続が解除されてしまうことがあります(ウォッチ側の設定を見ると「接続解除済み」と表示され、初期化するしかなくなる)。
その場合、正しく接続されている状態でスマートフォンのBluetooth設定から一度ペアリングを解除し、そこから「デバイス検索」をしてペアリングしなおすと解除されなくなることがあります。

ソウイチロウ
ソウイチロウ

Wear OS機はGoogleがやる気を見せないので、ガジェット好きよりもファッション好きのライトユーザー向けになっちゃった感じ

独自OSのウォッチ

ここまで書いてきたとおり、Wear OS機にはSoCやバッテリー持続に大きな問題があります。
Wear OSはAndroid WearとしてApple Watchよりも先行して登場したにも関わらず、OSそのものどころか採用しているチップセットの進化までもが先が見えない状況でした。
そのため、一部の大手やセンサー類の精度にこだわっているメーカーは独自のOSとハードウェア開発を行なう方向へと転換し、ウェアラブル端末としての機能・コストパフォーマンスの向上を狙うようになりました。サムスンやファーウェイがそれに該当すると思います。

かつてスマートフォンもメーカーごとに独自性を出していましたが、最近は見た目も中身も似たような製品が多くなりました。しかし、スマートウォッチはそのパターンとは逆の方向に進みつつあります。
フィーチャーフォンに比べてスマートフォンはあまりにも多機能で拡張性が高いために互換性や脆弱性の観点から(ベースがあれど)一からのOS作りは現実的ではなく、現にマイクロソフトやモジラ(FireFox)も撤退しました。
しかし、スマートウォッチの場合はフィーチャーフォンよりもさらにシンプルな端末であるため、自社のハードウェアに限った使用であれば比較的容易にOSの開発が出来るのかもしれません。

ソウイチロウ
ソウイチロウ

スマホで独自OS開発に踏み出したファーウェイの覚悟は凄い

製品ごとにこだわった個性

Wear OS機は元となるOSが同じであるためにメーカーごとの個性はもとよりシリーズごとの個性も出しにくくなっていますが、独自OSであればメーカーが築き上げてきたものなので融通が利きます。
例えば、Wear OSを搭載している製品の中でもFOSSIL SPORTシリーズはポップなカラー展開で他のWear OS機とは外見もターゲットも明らかに違いますが中身はほとんど変わりません。せいぜい外見に合わせたフェイスがプリインストールされている程度でしょう。
それでも腕時計として重要視されるのは外観である場合が多いため、比較的低価格なことも相まって人気商品になっています。

一方、サムスンにもそれと似たコンセプトのGalaxy Watch Activeシリーズがありますが、こちらは内蔵アプリはもちろんのこと、メニューアイコンのデザインまで他のシリーズと差別化されています。

Galaxy Watch Active
後継機であるActive 2がすでに発売していますが、ソフトウェアをバージョンアップしたActiveは2(40mm)とさほど変わりません。
主な違いはディスプレイが0.1インチ小さいことと、通話・音声通訳機能がないことです。

独自OSのブランド

Android勢とも呼べるWear OS製品に対し、Apple WatchのようにOSから作られているのが独自OS機です。
独自OSのウォッチは同じメーカーでもハードウェアとソフトウェアをセットでカスタマイズすることで、シリーズごとに一本筋の通った製品を送り出せています。

ただし、基にしたシステムによっては各言語への対応をOSレベルからメーカーが行わなければなりません。
更にタッチや音声による文字の入力変換や、マップのデータ、AIアシスタントの応答などは長年にわたるノウハウの蓄積が必要ですので、Wear OSに対抗することができるのは大手の中の大手だけになると思います。

Samsung Galaxy Watch

サムスンは方向性として性能を重視しているようで、全体的にやや高めの価格設定になっています。

各メーカーがWear OS機の開発に苦慮する中、サムスンはTizenベースの独自OSにシフトしたGalaxy Gear S3でスマートウォッチに求められる機能を精査・熟成させ、現在のGalaxy Watchブランドにつなげています。

際立つ長所

最大の特徴はディスプレイ周りのベゼル部分のリングを回転させることでカーソル(フォーカス)の移動や画面の切り替えが出来ることです。
スマートウォッチの画面は小さいので、指でスクロールしていると行き過ぎてしまうことがありますし、そもそも指が小さな画面を隠してしまうのでこの機能は重宝するでしょう。
タッチパネルは水滴などで誤作動する場合があるのでリングとボタンで操作できるのは助かりますし、そもそもにしてUIをリング操作前提に作ることが出来るのも独自OSの利点であるといえます。
一方で、そのリングがあることでスッキリとしたデザインにしにくいという面もあります。

それを考慮してか、先ほどのActiveというスポーティなシリーズはベゼルをセンサーによる疑似回転にすることでデザインに新鮮味を出し、コストや剛性面でも有利になっています。

Activeではないスタンダードなタイプはケース幅46mm(画面1.3インチ)と42mm(画面1.2インチ)のサイズが選べます(0.1インチは約2.54mm)。
腕時計の大きさの好みは人によってかなり差があるので、バッテリーを長持ちさせたいこと、少しでもタッチ操作がしやすいこと、老眼気味であること、腕が細くても違和感がないこと、袖に引っかかりにくいことなど、個人が何を重視するかによって大小が選べるのは大事なことだと思います。

Galaxy Watch 42mmモデル

充電は非接触充電に対応しているので、上の画像のように飾り台にもなるドックに置くだけで充電できます。
これがよくある剥き出しの端子を接触させるタイプだと汗の付着と乾燥を繰り返すことで接触不良や腐食を起こす可能性があるので、このQi対応はうれしい仕様です。

また、Galaxy WatchはWear OS機のようにフェイスやアプリを追加することが出来ます。
上の画像のフェイスも無料でダウンロードしたもので、待機中(アンビエントモード)には同じデザインで黒主体の省電力に適したデザインになります。

定番のマップアプリもありますが、有用なアプリは有料であることが多いようです。

GalaxyにはBixbyというAIアシスタントがありますが、日本のWatchでは利用できなくなるようです。
ちなみにGAssistというアプリでGoogleアシスタントが使えます。

スマートウォッチに考えられるほとんどのセンサーを内蔵していて、珍しいところでは気圧計で高度を調べることが出来ます。

NFCも搭載していますが、やはり日本では決済で使用できません。

さらにActiveには血圧測定機能がありますが日本では使えません。

バッテリーの持ちに関しては使い方にも大きく影響されるでしょうが、ユーザーの感想をまとめてみるとWear OS機の2倍前後稼働している印象です。

Galaxy Watchは現行機の中ではもっとも普通の腕時計のように見せることができる製品だと思います。
カラー表示のAlways on Display機能(アンビエントモード)も魅力的です。

ケースの質感も良く、バンドを交換すればスーツ姿からスポーツまで幅広く対応できそうです。
ただし、厚みは46mmモデルで13mm、42mmモデルで12.7mmあります。重量も46mmモデルで63g、42mmモデルで49gと重めです。

価格と使用年数

価格は無印が37,000円、Activeが24,300円ほどします(調査時)。
Activeはケースの素材にこだわった新型(Active2)が発売されています(1万2千円ほど高値)。

Galaxy Watch Active 2(44mm)
アマゾン 37,172円
価格さえ納得できればかなりの完成度と質感を誇るモデル
(アマゾンのミスで画像は40mmモデル)

決して安い買い物ではないですが、スマートウォッチはスマートフォンと比べて年ごとの性能アップが緩やかですので、フェイスやバンドを変えたりしていれば長いこと使用できると思います。

ただし、長年使うにあたって問題になるのがバッテリーの劣化です。
容積的に限られたバッテリー容量しか積めないウォッチは劣化による影響が顕著にあらわれるので、長い年月にわたって使用するにはバッテリー交換を考慮しなくてはなりません。
小ささによる影響はこのことにも及んでいて、ユーザーによる交換が困難であったり、工賃が高かったりします。
ひとつ前の製品であるGear S3も含めてバッテリー交換について検索してみると、バッテリー持続時間の低下はバッテリーの劣化だけでなく、ハードウェアとソフトウェアの不具合で起こることもあるようです。
ソフトウェアによる不具合は全ての個体に起こる可能性が高いので無償で対処してくれる場合もありますが、ハードウェアの方は故障扱いとなるので、保証期間が終わっていた場合は万単位の費用がかかる可能性があります。
バッテリーの交換だけで済んだ場合は最低6,750円で済むようですが、1回交換する前提で購入すると、合わせて43,750円という金額が何年で償却できるのかが悩みどころです。

中には「あまり遠出はしないので8時間もてばいい」という考えで中古を購入してくれる人もいるでしょうから、初めからバッテリーの交換を念頭に置かず、他に気になる新製品が見つかったときに売ってしまうという手もあると思います。

ちなみに並行輸入品の修理は受け付けていないようです。

Galaxy Watch 46mm
約4万円
価格変動が大きく、20年1月中旬には3万4千円ほどで販売
自転車移動を検知したり、外して置くと画面を消灯したりと、スマートウォッチとしての完成度が高い

Huawei Watch GT

ファーウェイからは機能を減らして価格を抑えたHuawei Watch GTシリーズが出ており、スマートフォンに先駆けて脱Googleを実現しています。

こちらはアプリをユーザーが追加できないので、前回の記事のBluetoothウォッチにやや近い存在といえるでしょう。
とはいっても、スマートフォンにインストールする接続アプリを自社で作っているのでデータ連携などの相性は良いでしょうし、アップデートも頻繁に行なわれているようで、現にフェイスのダウンロード機能(Android接続時)とAlways on Display機能が追加されました。
ただし、フェイスに関しては絶対的な数が少ないうえにセンスの良いデザインは数えるほどしかありません。今後に期待です。

連続使用時間のジレンマ

ファーウェイはスマートフォンでもそうですが、低消費電力に傾倒しすぎるきらいがあります。いくらこの製品の売りが低価格と低消費電力だとしても、せっかくの便利アイテムの魅力まで低くしてしまったら元も子もありません。

省エネに徹している部分としては…

・ようやくフェイスを5秒以上表示できるようになった
・一瞬しか振動しないバイブレーター
・Always on Displayにようやく対応

Always on Display(常時表示)機能はバッテリーを確実に消費するので採用されるとは思っていませんでしたが、仕様を見てみたら納得の簡易ぶりでした。
まず、スタンバイ時はデジタルとアナログ各1パターンしかデザインがなく、デジタルの方はセンス的にいまいち感があります。
アナログの方は良い感じですが、双方とも時間しかわかりません。
「自分が目にするときは本来のフェイスだからいいじゃないか」と納得したいところですが、なぜか腕を上げて時計を見る動作をしてもスタンバイ用のフェイスのままなので、本来のフェイスを見るにはケース右側のボタンを押すか画面にタッチしなければなりません。
これも省電力への涙ぐましい努力なのでしょうが、これでは常時表示対応の超簡易フェイスを追加しただけにも思えてきます。
ただ、さすがに通知だけは腕を上げるジェスチャーで表示されるようです。

グレ子
グレ子

腕を上げたときにあごでタッチすればいいと思うよ

ソウイチロウ
ソウイチロウ

ガラスが脂まみれになるだろ…

充電は非接触ではないですが接続部がトレイ状になっているのは良いです。
以前、トレイ状の製品と端子付近だけをマグネットで着ける製品の2タイプを使っていましたが、端子付近だけだとちょっとしたことで外れてしまいました。

フィットネスデータ収集以外は簡素

フィットネスデータの活用はスマートフォン用の「Huaweiヘルスケア」というアプリでしか行えません。
最近の更新により、このアプリを使用するにはまず「Huaweiモバイルサービス」という「多くの高度な機能」を搭載した、権限を多く要するアプリをスマートフォンにインストールし、そこからアカウント登録をしなければならなくなりました。

TalkBandという古いHUAWEI製品を使っていたころにはヘルスケアアプリだけで使えていましたが、脱Googleを目指すからにはGoogleアカウントで済ませていた部分全てを自社に置き換えなければならないのでしょう。

LINEなどの通知は本文まで見ることが出来ますが、ウォッチからの返信は出来ません。

通話は新型であるGT 2の46mmモデルに限り出来るようになりました。
GTとGT 2の42mmモデルはウォッチで通話が出来ないだけでなく、着信呼び出し中は拒否しか出来ないので「まずウォッチで受けてからスマートフォンを取り出す」といった使い方も出来ないようです。

HUAWEI Watch GT 2(46mm)
アマゾン 24,795円
少し大柄だが、ディスプレイ表示を含めたルックスが良く、とくにマットブラックはコストパフォーマンスが最高
好みに合わせてレザーとメタルのバンドもあり

旧型のGTは単独で音楽を再生できないだけでなく、スマートフォンの音楽プレイヤーの操作も出来ません。

マップアプリもありません。脱Googleを目指すのであれば独自マップが大きな課題となるでしょう。
旧型のGTはそもそもRAMが16MBしかないのでマップは無理だと思いますし、アプリをバックグラウンドで稼働させながらウォッチフェイスに戻ることも出来ないようです。

そういったことからもBluetoothウォッチに近いといえるわけですが、新型のGT 2は消費電力が増加しない範疇で性能アップがされています。

価格差は少ないのでバッテリーで選ぶ

サイズは46mmと42mmがあり、小さい方は有機ELのピクセル数が少ないとはいえバッテリー容量が半分にも満たないので、売りであるバッテリー寿命を最優先するのであれば大きい方が良いでしょう。

GT 2の42mmモデルの方は画面まわりの黒枠が若干目立ちます。1.2インチでありながら390×390ピクセルなので、TicWatch C2(1.3インチ 360×360)より高精細です。
46mmモデルは最大級の1.39インチです。

ちなみに日本では発売されていませんがHonor Watch Magicというものがあり、そちらはGT 42mmモデルの性能のまま、コストを下げた製品です。
最近発売されたHonor MagicWatch 2は42mmと46mmで展開されています。

Huawei Watch GTはやはりバッテリー持ちの良さを重視する人向けであると言えます。
とくにGPSで位置を記録する使い方をしている人からすると驚異的でしょう。

前述のGalaxy Watchは外したときにドックに載せれば充電できるのでそれで事足りる人はよいですが、どうしても一週間持続させたい人やこまめな充電を嫌う人はこのGT向きといえそうです。
たしかにリチウムバッテリーは残量0%と100%付近の状態が長いほど劣化しやすいという説があるので、そのあたりを避ける使い方をしたいのであればバッテリーに余裕があるスペックの方が適しています。

新型であるGT 2の特に46mmモデルは価格もデザインもスペックもアップしています。詳しくはブログを確認してください。

Huawei watch GT 2 Proのリーク情報

その他の独自OS機

独自OS搭載機となるとガーミンやFITBIT、SUNNTOなどもありますが、これらはスマートウォッチというよりも本格的な計測器のウォッチ型という意味合いが強いので除外しました。

ソウイチロウ
ソウイチロウ

Googleやクアルコムの動向に左右されない独自OS機のメーカーは本気度も違う

スマートフォンのAndroid OSを載せたウォッチ

俗に中華製品と呼ばれる中国の小さなメーカーが開発している製品の中に、スマートフォンを腕時計のサイズまで凝縮したようなものがあります。
これらはここまでに紹介してきたスマートウォッチと同種に見えますが、内容的にはAndroidスマートフォンに近い存在です。


Android搭載スマートウォッチの例

大手のスマートウォッチにはRAMが1GB未満の製品が多い中、Androidそのものを使っているために2~3GBが当たり前のように搭載されています。

特徴としてはAndroidなのでAndroidアプリの多くを動作させることが出来ます。
ただし、アプリ自体が小さな画面を想定していないことが多いうえに、丸い画面で視認とタッチを行わなくてはならないので半分ジョークアイテムのような存在となっています。

中にはセルラーモデルもあり、SIMを挿入することで腕時計単独で通話することも出来ます(バッテリーを考えると現実的ではない)。

すでに過去の遺物か

数年前までは大手を遥かにしのぐ製品数が市場に出ていましたが、ハード的にコストがかかるためか、最近ではフィットネスを主眼においたブレスレット型トラッカーやBluetoothウォッチに取って代わられてしまいました。

小さなメーカーならではのフットワークの軽さからWear OS機よりも円形OLEDの採用が早かったために一時はフェイスを重視する人たちで賑わいましたが、最近は安価なBluetoothウォッチでも採用されてきて存在意義がさらに薄れています。
アマゾンでも「スマートウォッチ」だけでの検索ではほとんどヒットせず、「Android7.1」のように追記でOSを指定してやっと少しばかりの製品が出てくる程度です。

ウォッチとしては過剰なOSとRAM、バッテリーによって低価格化と小型化が困難であり、「腕にスマホを装着する」という面白アイテムとしての需要しかなくなってしまったようです。

グレ子
グレ子

わかりやすく言うと旧ザクです

結論

予算に余裕があるならGalaxy Watch

〇 ハードとソフトを同時に開発していることによる親和性
〇 自前アプリストアを展開できる会社規模
〇 ベゼル操作を含めたデザイン
〇 これでもかと詰め込んだセンサー類
〇 サイズが選べる
〇 スマートフォンなしでも音楽が聴ける
△ 比較的、厚くて重い

価格以外にこれといった難点はなく、これに対抗するにはGoogleがPixel Watchなるものを新型SoC搭載で出すしかないのではないかと思います。


42mmモデルなら女性でも違和感なし

とにかくバッテリー持ち優先ならHuawei Watch GT 2

〇 割り切ったコンセプトによるスペックパフォーマンス
〇 フィットネストラッカーとしてかなり優秀
〇 サイズとカラーが選べる
〇 厚みが1cm前後なので仰々しさがない
△ アプリの追加が出来ない
△ 42mmモデルは持続時間半分
△通話が出来るのは46mmモデルのみ
× メッセージの返信が出来ない
× 腕を上げてもスタンバイ用フェイスが解除されない
× スマートフォンとの連携にHuaweiアプリと個人情報の登録が必要
× バイブレーターが短い

高性能や多機能を求めることによる肥大化を避け、最低限のスペックで厚みと価格を抑えるという方針に共感できる人も多いでしょう。
新型になって質感が向上しましたし、必要な機能は大体入っているので割り切って使いましょう。


FOSSIL SportやGalaxy Watch Activeに近いデザインの42mmモデル

とにかく安く多機能を試してみたいのならTicWatch E2

〇 MAPやKEEP、CALENDARなどのGoogleサービスが使える
〇 専用アプリと豊富なフェイスを選んでインストール
〇 バイブレーターはしっかりと感じる
〇 Bluetoothイヤホンを接続すればスマートフォンなしでも音楽が聴ける
〇 画面が最大級なのに35gと軽い
〇 メーカー製アプリは使用しなくてもよい
△ スピーカーはない
△ 高級感はない
× 環境光センサーがないので輝度は手動(別途アプリあり)
× 設定によっては常にバッテリー残量を意識しなければならない

Wear OS機の中でもTicWatchシリーズはキビキビとは動きません。理由は省電力に振っていることやメモリーが少ないこと、SoCが古いことなど多く上げられます。
しかし、通知を受け取ることとフェイスの選択に主眼を置いているのであれば問題にはならないでしょう。


低価格ながら大画面で見やすいTicWatch E2

低価格という点ではFOSSIL Sportがセールで実質1万2千円台になったことがあるので、デザインに抵抗がなければそちらの方が若干快適です。


カラー、メンズとレディースが選べるFOSSIL Sport

最後に

共通して言えることは、前ページにも書きましたがシリコン製のバンドは装着難度やホコリ汚れ、摩耗劣化などの難点があるので注意してください。

もし、この記事に該当するようなスマートウォッチを使ったことがないのでしたら、現在使っているスマートフォンと同じようなものに買い替えるよりはスマートウォッチを追加する方が出来ることと便利さが増して有意義ではないかと思います。

スマートフォンは次々に新しいものが発売されて悩ましい限りですが、スマートウォッチはあまり新製品が出ないので、納得のいく物を買えば(バッテリーの寿命が続くかぎり)長い相棒になるのではないでしょうか。